インターンプログラム 活動レポート
インターンプログラム 活動レポート③


夏に戻ったような暑さの中、10月24日にArt Bridge Institute フォーラム「言葉の宇宙船‐印刷物と思想の共有をめぐって」が開催されました。ゲストに芹沢高志さん(P3 art and environment 統括ディレクター)をお招きし、トークを行いました。会場には多くの参加者と、ABIにご縁のある方々がお越しくださいました。そして、この日のためにABIにゆかりのある団体のみなさんが送ってくださった印刷物も、机にずらりと並びました。会場の準備や運営にあたった私たちインターンメンバーも、準備をしながら「全部読むのにじっくり時間がほしいね!」と話をしました。

まず芹沢さんに講演をしていただき、その後の港ディレクターとの対談では、1968年に創刊された『Whole Earth Catalog』 をはじめ、芹沢さんご自身がお持ちの印刷物も紹介していただきながら話は進んでいきました。時代に向き合い思想を伝えてきた雜誌が、今という時代に何を語りかけているか、耳を傾けてみたいと思いました。
休憩時間には、ワイン醸造用葡萄ジュースやビネガードリンクをお配りしました。トーク終了後の交流会では、参加者の皆様も気になった印刷物をお手に取っていました。
 
参加者の皆様に混じって冊子を見ていた私に声をかけてくださったのが、雜誌『las barcas』のメンバーである仲宗根さんと井上さんでした。お話をする中で印象深い言葉に出会いました。それは「雑誌をつくるにあたって、誰かや、何かに向けられた意識はあるかどうか」とお尋ねしたときに返ってきたものでした。
「『沖縄』を語るとき、どうしても紋切り型の政治性がついてきてしまう。アートにおいて、身体とは、風景とは、関係性とは何かという問いの中から、自分たちのつくりたいもの、表現の場をつくりたいという気持ちではじめたんだ」
という内容でした。追い求める表現や、つくるということの意味について考えさせられました。

ABIの活動が築くface to faceの関係を、会場に並んだ素晴らしい印刷物の数々やお越しいただいた方々と共有した時間の中で、感じられたように思います。最初の芹沢さんのお話の中で、「飛行物体のような、よくわからないものに出会っていけたら」という言葉がありました。それぞれが過ごした時間の中に、何かに出会うきっかけがあればいいなと思います。

後藤響子(ABIインターン)
10月24日(土) 15:00〜18:30
3331 Arts Chiyoda 1F コミュニティスペース
photo by akihide saito

記事一覧