舩木翔平
Shohei Funaki
八王子市由木地域の農業が身近にある暮らし
現在、八王子市由木地域は、多摩ニュータウンの一部で、マンションや住宅が立ち並ぶいわゆるベッドタウンです。元々、農業や酪農が盛んであったこの地域が多摩ニュータウン開発によって様変わりしました。しかし、その開発の中、由木地域の酪農家が中心となり、開発反対活動が始まりました。全てを住宅地にするのではなく、農業や酪農、里山を残し、新しく移り住んでくる住民とお互いに共存出来るような町づくりを提唱しました。その後、4ヘクタールの農地や酪農施設は守られ、多摩ニュータウン開発は、終わりました。2012年からその残された農地で新たに活動を始めたのが株式会社FIOです。FIOで様々なイベントや企画行い、多くの人たちがこの地に集まるようになった活動をご紹介します。
05 新しい日常を創り出すこと
最近、日本各地の生産者の方々と話す機会があった。八ヶ岳で大規模にホウレンソウを生産する20代30代中心の若手農業者集団、静岡で新規就農して大規模に契約栽培を行う農業法人の女性経営者、長崎で代々農家をやっている若手生産者、そして八王子を代表する農家の方々、それぞれ規模や環境、農業を始めた状況も全然違う。東京のような多品目小規模農家と地方の単一大量生産農家とは、取引先と野菜単価が大きく変わる。けれども、今考えている課題としては、みな同じような意見があった。
「自分たちが野菜を作っている地元地域に住んでいる方々とのつながりをつくり、消費者と接点をつくること。」
それによって、自分たちが作っている野菜とそれに込める想いを直接伝える事の重要性について、感じているようだった。この話を聞いて、とても驚いた。それぞれ全然違う状況にも関わらず、同じような意見を持っているということ。今回会って話した方がこういう考えなのかもしれないが、その偶然に会った方たちの視点が地元地域へと向き始めていることには、とても親近感がわき、嬉しくなった。インターネットやSNSなど、さまざまなコミュニケーションツールがこんなにも多様化していく中で、人と人とが接する機会をつくろうとすることは、近年のコミュニケーションを希薄に感じているということだろうか?もしくは、多くの人がコミュニケーションをとっているつもりになっているだけなのかもしれない。
今回、ブリッジストーリーの企画に関わらせていただき、「人と人との関わり方について」改めて感じることができた。ブリッジストーリーで記事を書いている他の方々も日常に視点をおき、日常の生活を地域で感じ、またその成り立ちも見ながら、それぞれの地域での生活が伝わってくるような内容だった。私としては、農業以外の分野でこのような活動を間近でお話を聞けたことにとても感謝している。みな手段は違えども、同じ想いを持つ方々との出会いは、何よりも大切にしたい。心開いて話せる場こそ、これからの日常になってほしい。

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