坂田太郎
Taro Sakata
土地通い
ひとつの土地に通っている。神奈川県横浜市。観光客で賑わう臨海部から南西へ15キロ。内陸部の郊外住宅地のなかに、ぽっかりと空地のように広がる直径1km、円周3kmの円形の土地がある。その土地へ、隣接する幼稚園に子供の送迎のため通っていた父親は、いつしか気まぐれにカメラで記録するアマチュア写真家となり、偶然の出会いから素人の家庭菜園家となる。その後、土地の「返還」という大きな出来事を前に、美術家3人に声をかけ小さな活動を始めると、彼・彼女らと通うなかで、コーディネーター、資料収集家となり、土地にまつわるささやかな資料室を開設する。
ひとつの土地に通うなかで、そこでの労働のかたちが、横へ横へとずれていく。ずれるなかで、その土地の別の様相が見えてくる。7-8年が経過しただろうか。進行形ではあるが、このドリフトが残した跡をふりかえり、この土地で見たこと、感じたことに、自分なりに言葉をあててみたい。
00 プロフィール
1980年神奈川県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。在学中よりP3 art and environmentに勤務し、その後MeMe Design School、アサヒ・アートスクエア[NPO法人アートNPOリンク]の運営に関与する。P3ではAAF2006〜2008年事務局を、アサヒ・アートスクエアでは寺内大輔、岩渕貞太、蓮沼執太、山城大督との協働プロジェクト、北川貴好、福永敦の個展、ロングパーティー「フラムドールのある家」等のコーディネートを担当。現在はP3のリサーチャー、TARLのスクールマネージャーとして東京に通いながら、自宅のある横浜を拠点に「サイト・イン・レジデンス」を継続。主な役割はサイトにまつわる資料収集と整理と進行管理。
http://www.siteinresidence.org/

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