Statement
このたびArt Bridge Institute(ABI)は、アートが現代社会においてジャンルを横断しながら、人と人のつながりを作り出してゆくことについて、その研究や実践に取り組む団体として発足しました。
19世紀の産業化時代、20世紀の情報化時代を経て、今日の世界はネットワーク時代と呼ぶにふさわしい、つながりを実現しています。インターネット上に存在するものだけで、人類の総人口をはるかに超えるリンクが日々生まれています。 早晩モノと情報の境目はなくなり、モノとモノが通信する新たなサービスが、国境を超えて世界中の都市で始まるでしょう。技術的には可能な「超結びつき社会」の実現は、そこまで来ているように思います。
その一方で産業化時代、情報化時代に生まれた共同体はいまや高齢化や過疎化といった世界共通の問題を抱えて、肝心の人と人との基本的な繋がりを見失いつつあるように思います。
グローバル経済と開発資本主義によって産業の空洞化が進み、人々がかつて取り持っていた土地や自然との結びつきさえもが不確かになっています。人類は地球上の生物としては例外的な「根なし草」的状況に自らを追い込もうとしているようにも見えるのです。
アートは本来、人と人との間、人間と世界との間に、何らかの関係を作り出すために特別な力を発揮してきました。 それは共に作り、共に楽しむ「共感」の力です。その力は、技術が高度になり情報が専門化すればするほど、細分化されてしまう現代文化のなかでこそ、 生かされるのではないか。ジャンルの壁を貫通し、人が生きる場所に楽しさや面白さを発見するために、わたしたちはいろいろな橋を探したいと思っています。
かつて橋は通行のためだけでなく、生活の場所でもありました。石や木造だけでなく、船をいくつかつなげたもの、ロープを渡しただけのものなど、 橋の架け方にもさまざまな工夫があります。人や共同体のつながりにも、きっと多種多様な作りかたがあるにちがいありません。 新たな繋がりの時代に向け、共に創ることを通じての橋を架けていくのがわたしたちの希望であり、アートの貢献でもあると思います。


港 千尋(『ART BRIDGE (issue#01)』より)
About
Art Bridge Instituteはアートを介して、新しい世界の見方や作り方を考えるコミュニティです。高度な情報化と専門化がますます進む世の中において求められる、協同や共創のあり方を、ジャンルを超えた参加者とともに探るため、2014年に設立されました。アーティスト、キュレーター、研究者をはじめ、さまざまな分野で実践をつづける人々のあいだにブリッジをかけながら、来るべき社会の姿を見つけたいと思います。
Plan 2019 〜

ART BRIDGE
ABIの活動を通して生まれたネットワークをもとに、国内外のアートプロジェクトや芸術祭、生きる技術としてのアートをリサーチし、紹介する機関誌。グラフ誌のように、3〜4人で囲んで読むこともできるよう、見開きB3サイズという大判で制作。このページでは、各号の目次を紹介しています。
2015年3月創刊し、2019年3月に刊行した『多孔性世界論』(6号)にて休刊。


ABI+P3共同出版プロジェクト
Art Bridge InstituteとP3 art and environmentが、これからの文化発信の在り方を、実践を通して考えていくために立ち上げた共同出版プロジェクト。1冊目となる、『言葉の宇宙船 わたしたちの本のつくり方』の読者と、飛び立った本のその後を追う、ウェブコラム「100の読者、100の経験」を展開しながら、新刊発行に向けて準備中。


他団体との連携事業
主催事業のほか、自治体や企業と協働して、展覧会やアートプロジェクト、講座などの企画運営を行います。
またドキュメント作成や撮影などの記録。アートプロジェクトや芸術祭開催を目的とした調査や研究なども行います。
《過去の事例》KIITO BOOK CLUB(企画・運営) / ことば本のことばを読む会「ことこと会」―ことばから紐解くアートプロジェクト運営の現場-(記録・運営) / 上野公園スタディーズ(企画・運営・記録)


ブリッジトーク
2019年度の開催予定は未定です。


民俗台湾読書会
非公開の勉強会を実施しています。


お問い合わせ

Art Bridge Institute
E-mail art.bridge.institute@gmail.com
URL a-b-i.info 

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個人情報とは
氏名・生年月日・自宅の住所・自宅の電話番号・携帯電話の番号・メールアドレス・顔が判別できる写真や映像・指紋や掌紋・個人別に付与された記号・番号など、個人を特定できる情報のことをいいます。

個人情報の収集
Art Bridge Instituteでは、適正かつ公正な方法により必要な範囲で、個人情報を収集いたします。
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・ スタッフの情報 (スタッフ名簿・履歴書など)
・ 関係機関の情報 (名刺・年賀状・機関誌やシンポジウム招待状等送付先リスト)
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・必要な個人情報のみ収集し、本人が気付かない方法では入手しません。
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