新型コロナウイルスにより影響をうけているみなさまに、心からのお見舞いを申し上げます。

ABIは2014年からNPO法人としての活動をスタートし、国内外でオルタナティブな活動をするアーティストやアートプロジェクトにネットワークを生みだすことを目的に、さまざまな活動を展開してまいりました。その活動の軸に位置付けてきた機関誌『ART BRIDGE』(既刊最新6号/2019年3月)の発行を、当面の間休刊しますのでご報告いたします。

『ART BRIDGE』は「複数人で囲んで読んでほしい」というコンセプトから、定期刊行物としては異例のB3見開きという大きな判型を採用しました。配布の方法にも工夫を凝らし、郵送とは別に各地のネットワーカーが『ART BRIDGE』を読んでほしいと思う読者や団体に手渡しすることで、直接的な繋がりを生みだすメディアの可能性を試してきました。インターネットの利便性にはない、モノが作り出す直接的なコミュニケーションのあり方を考えつつ年1号のペースで刊行し、毎年開催したフォーラムやトークといった集まりは、次号のコンテンツになるとともに配布の機会でもありました。

しかし、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、これまで当たり前であった対面によるコミュニケーションに、根本的な制約が生じてしまいました。『ART BRIDGE』が大切にしてきた、集まることや移動することが自由に出来なくなるなかで、機関紙のコンテンツとなるアクション自体を生みだすことも困難な状態が続いています。
こうした先行きが未だ見通せない状況の中で、活動を見直すタイミングであると判断いたしました。

『ART BRIDGE』は休刊いたしますが、進行中のABI+P3共同出版プロジェクトや、台湾との写真共同研究、各方面のリサーチなどは継続いたします。同時に、パンデミック下における文化的協働や、新しい時代への提言も行うべく、より一層の活動を展開してまいります。今後の活動はホームページやSNSなどでお知らせいたしますので、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
撮影 江上賢一郎
台湾と日本 時代と国を超えた民間写真史研究プロジェクト 記録集

2019年度は、昭和初期の民間写真を対象に、台湾と日本でワークショップやフォーラムを開催しました。
これらの記録を写真とテキストで紹介するもので、フルカラーの46ページです。
Art Bridge Instituteの賛助会員にご登録いただいたみなさまに配布しています。
<賛助会員とは?>

【目次】
・プロジェクト前史  関川歩
・海を渡った写真館ー遠藤家族の記憶 陳佳琦
・宮本馨太郎の台湾写真  堤涼子
・台湾「風景」の写真構造ー日本植民地時代における写真史  張世倫
・レポート|国際的写真研究に向けて 港千尋


【プロジェクトメンバー】
港千尋(写真家、Art Bridge Institute代表)
龔卓軍(台南芸術大学教授)
張世倫(写真史家)
陳佳琦(写真史家)
堤涼子(研究者)
原亜由美(キュレーター)
呂孟恂(通訳・コーディネート)
関川歩(プロジェクトマネージャー)

主催|NPO法人Art Bridge Institute
助成|日本万国博覧会記念基金
近代以降、台湾と日本の間には、多くの写真家の往来がありました。双方で紡がれる"写真史"は資料や人など様々な面で絡み合い、一方だけでは完結し得ない関係性があります。
2019年、これまで台湾の写真家やコレクターと交流を重ねてきた港千尋が発起人となり、台湾の古写真を調査・研究するためのプラットフォームを立ち上げました。張世倫、陳佳琦ら台湾の研究者がプロジェクトメンバーに加わり、両国に散逸する資源や情報を共有し、台湾における写真史を学び合うことで、日本と台湾の研究者が共に写真を見て語り合うためのリテラシーを育むことを目的としています。またこれらの協働を通じて、台湾と日本の写真と記憶に関する、民間プラットフォームとアーカイブの可能性も探りたいと考えます。

このフォーラムでは、プロジェクトメンバーが集い、これまでの互いのリサーチについて報告するとともに、ゲストに野林厚志氏をお招きした公開講座を行い、このプロジェクトの可能性を考える場を作ります。


◎開催概要
時間:11月14日(木)15:00-20:00
会場:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター(東京メトロ虎ノ門駅より徒歩1分)
定員:50 名程度(入場無料、予約優先。30分前開場、自由席)
主催:NPO 法人Art Bridge Institute
共催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
助成:日本万国博覧会記念基金


◎予約受付
台北駐日経済文化代表処 台湾文化センターホームページより
ホームページはこちら


◎お問い合わせ
art.bridge.institute@gmail.com


◎スケジュール
プロジェクトメンバーによる報告会
15:00-17:30
港千尋 写真よ、語れ!
張世倫 台湾「風景」の写真構造:日本植民地時代における写真史
陳佳琦 共有する映像記憶と失った写真館の記憶:台湾と遠藤家族


休憩
17:30〜18:30


講演会・対談
18:30-20:00
「写真アーカイブスの可能性を探るー内田勣コレクションに刻まれた台湾の風景」1930年代から1940年にかけて台南一中で地理教師として勤務した内田勣(1906-1947)。国立民族学博物館には、彼が写した台湾風土の写真も多数アーカイブされている。国立台湾歴史博物館「南方共筆:継承される台南風土描写特別展」の報告をもとに、写真アーカイブの可能性をひもとく。

ゲスト講師:野林厚志氏
ホスト:港千尋


◎発表者・ゲスト 略歴

発表者
張世倫 (CHANG Shih-Lun)
1975年台北生まれ。評論家、写真史研究者。国立政治大学コミュニケーション学部新聞研究所修士、ゴールドスミス・カレッジ文化研究センター博士課程修了。台湾博物館「台湾写真史綱」研究計画(2015-2016)、「記録写真の「発明」及び変化」(台北市立美術館「なぜ写真は魅力的なのか?その嘘と真実、矛盾とその他」講座シリーズ)。学術論文〈台湾「風景」の写真構造:日本統治時代の写真の歷史研究〉《現代美術学報》33期(2017)などがある。

陳佳琦 (CHEN Chia-chi)
1975年台南生まれ。国立成功大学多元文化研究センター研究員。国立成功大学台湾文学博士(2004-2013)、国立台湾文学館助研究員(2003−2005)。これまでの主な発表に、台湾博物館「台湾写真史綱」研究計画(2015-2016)、 シンポジウム〈台湾写真史の限界と可能性〉(2017年国立台湾美術館「共再生の記憶:台湾の美術史の再構築アカデミックセミナー」に掲載)、学術論文〈写真アーカイブと画像の現代的な体験:1935年の台湾博覧会の写真展、実践、保存〉《現代美術學報》33期(2017)。著書に『台湾撮影家——黃伯驥』(2017)などがある。

港千尋(Chihiro Minato)
1960年神奈川県生まれ。写真家、映像人類学者。早稲田大学政治経済学部卒業。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授。近著に『風景論 変貌する地球と日本の記憶』(2018,中央公論新社)、『インフラグラム 映像文明の新世紀』(2019,講談社新書メチエ)などがある。


ゲスト
野林厚志(人類学者、国立民族学博物館教授)
専攻は人類学、民族考古学、物質文化論。主要な研究テーマは、台湾原住民族のエスニシティ、人間と動物との関係史、食の文明論。国内外の博物館における展示会も手がけており、国立台湾歴史博物館国際連携展示「南方共筆 継承される台南風土描写」(2018-2019)など。著書に『イノシシ狩猟の民族考古学 台湾原住民の生業文化』(2008,御茶の水書房) 、『肉食行為の研究』(2018,平凡社)などがある。

**天候、出演者の体調不良等でやむをえず内容は変更になる場合があります。

ABI活動を通して生まれたネットワークをもとに、国内外のアートプロジェクトや芸術祭、生きる技術としてのアートをリサーチし、紹介する機関誌『ART BRIDGE』。
最新号『ART BRIDGE06|多孔性世界論』を、2019年3月に発行いたします。

2017年、港千尋が旅をした6つの土地、ウランバートル、佐渡、音威子府、バンクーバー、済州島、台南。
世界を多孔性として眺めると、回路や神経をモデルにしたネットワークとはまるで異なる風景が見えて来ます。
今号の『ART BRIDGE』では、モンゴルの草原から東アジアの島々を経てカナダの森にいたる旅を、写真とテキストでたどりながら、ポーラスな世界の可能性について考えてみたいと思います。
目次はこちら
2014年度に発足したArt Bridge Institute(ABI)も5年目を迎え、
これまで多くのかたにご協力いただきながら、活動を展開してまいりました。
活動の蓄積とともに、お伝えしたい情報も増えてまいりましたので、
2018年9月に「STORY」と「ACTIVITY」ページを中心にウェブのリニューアルを行いました。

今後はプロジェクトのレポートなどを随時更新していきながら、
ABIの活動をアーカイブしていけたらと考えております。

アートディレクション|加藤賢策(LABORATORIES)
デザイン・プログラミング|伊藤博紀(LABORATORIES)