言葉の宇宙船ー印刷物と思想の共有をめぐってー
ゲスト芹沢高志( P3 art and environment 統括ディレクター)
開催日2015.10.24
10/24(土) 3331 Arts Chiyodaのコミュニティスペースにて、年に1度のArt Bridge Instituteフォーラムを開催しました。

Art Bridge Instituteフォーラムは、ABIの1年を振り返り、これからの活動を考える場です。今年のフォーラムでは、ゲストに芹沢高志氏をお迎えし、思想やアクションを共有し伝えてゆくメディアをテーマにトークをしました。
いつの時代も、メディアはさまざまな思想を運んでくる「宇宙船」として、私たちのもとにやってきました。それは時に、今までの考えを変えるような、深い出会いにもつながります。印刷物が、同時代の人間の生き方や考え方にどういった力を持ってきたのかということを、少し時代を遡ってスタートし、今に至るまでを考察していきます。

2016年には、さいたまトリエンナーレの開催が控えている芹沢さん。同じ年、ABIディレクターの港千尋もあいちトリエンナーレ2016の開催が控えています。
意外なことに、公の場で対談する機会はこれまでなかったというお二人が、芸術祭準備の合間を縫って、しばし言葉の宇宙に想いを馳せました。
「言葉の宇宙船、というタイトルを聞いて、手に取れる紙媒体は言葉や考え方が詰まった宇宙船みたいなものだと思いました。 更に考えていくと、大きな新聞社や出版社が発行しているものではなくて、多くの人の目には付かない、見たことはあるけれどよくわかっていない。われわれの日常に出現する、遭遇するチャンスはなかなかないし、だいたいそういうのがあるのかないかもわかっていない。それを探しに行こうとしても難しい。宇宙船なのだけれども、よく考えたら未確認飛行物体のようなものだろうかと思いました。」と語る芹沢さん。前半は、「クロス・トーク/インターメディア」のカタログとバックミンスター・フラーとの出会い(遭遇)について、60年代当時の時代背景とともに振り返りました。
後半は港も加わって対談。芹沢さんが持ってきてくださった、『Whole Earth Catalog』 を中心に、当時の思想について迫ります。
芹沢さん、港ディレクターの間に置かれた実写投影機から、話に出てくる印刷物や、それをめくる手が写し出されました。
Art Bridge Instituteメンバーや関係者が出会った印刷物を持ち寄り、展示をしました。
ART BRIDGE issue#02 で、台湾との通訳・翻訳を担当した呂孟恂さんが来日。台南芸術大学が発行している『ACT』 最新号を持ってきてくれました。

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