上野公園スタディーズ 2017
Photo by Akihide Saito
日本における有数の都市公園には、縄文時代に遡る自然史と生態系、中世から近代にいたる幾多の史跡、20世紀の建築史を代表する作品群、さらにそれらを多角的に扱う教育研究機関、ミュージアム、庭園や動物園が「上野文化」とも言える複合体をつくりあげ、あたかも日本そのものを凝縮したミクロコスモスのようでもあります。上野公園とは、自然物、人工物を問わず、どの部分をとってもそこに多元的な意味が宿っているような場所、自然と記憶とが融合した文化的生態系だといえるでしょう。

港千尋


上野公園、駅周辺の文化芸術振興を目的に事業を行う上野「文化の杜」新構想推進会議の委託により、上野公園の歴史や文化をリサーチする「上野公園スタディーズ」の企画・運営を行いました。
上野公園に長年たずさわる人々へのヒアリングや、各方面の専門家によるレクチャーシリーズ、アーティストによるフィールドワークからテーマを深める「アーティスティックリサーチ」の手法で上野公園の記憶を紐解きながら、日本の近代や公共をテーマに1年間のリサーチプログラムを展開しました。
活動の成果は冊子(非公開)にまとめたほか、上野公園に訪れたかたも手に取れるようフリーペーパー(日英バイリンガル)を作成し、各所に設置しました。

『上野公園スタディーズ』
会期|2017年度
場所|上野公園及びその周辺
主催|上野文化の杜新構想実行委員会、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
企画・制作|Art Bridge Institute
プロジェクトチーム|川村庸子(編集者)、齋藤彰英(写真家)、スザンヌ・ムーニー(写真家)、関川歩(Art Bridge Institute事務局長)
Photo by Akihide Saito